「空だ 男の征くところ、君こそ次の荒鷲だ」
スクリーンに映ったそのスローガン。
「どのような人々が特攻兵となったのでしょうか。」
語り部さんの言葉は続きます。
「多くの少年たちがこのスローガンを見て飛行兵に志願しました。そして、厳しい訓練の末、17歳、18歳のころに沖縄の地で特攻でなくなりました。」
中学生のころに入隊し、高校生のころに特攻兵となる。
335名の少年飛行兵たちが特攻で亡くなったそうです。
出撃前に撮影された写真はすべて笑顔。これから死ぬことがわかっているのに笑顔で写る。どのような気持ちで写ったのでしょうか。
「君たちは京都の学校から来たのですよね。ここ知覧では京都出身の方、12名も出撃しなくなっていますも特攻しています。では遺書を読んでみましょう。」そうおしゃると講師の方が遺書を読み上げます。
”お世話になりました。お前にもらった人形は飛行機にぶら下げて征きます。孝行の方をよろしくお願いいたします。”
来年は高校1年生。もし戦時中なら来年には戦地にいることになります。
生徒たちは真剣な面持ちで講話に聞き入っていました。
講演の後は灯篭磨きをする予定でしたが、激しい雨のためやむなく中止となりました。その分資料館をじっくり見学することとなりました。資料館へ行く前に、学校で平和の願いを込めて30期生みんなで折った千羽鶴を平和館に納めました。
特攻兵たちが出撃前の最後の夜を過ごした三角兵舎や、特攻兵たちを祀った特攻平和観音堂を通って資料館へと入館。三角兵舎の隣にあった特攻平和観音堂では、生徒たちの拝む姿が印象的でした。
資料館の中は撮影禁止のため写真はありませんが、生徒たちは多くの特攻兵たちの遺書や、敵船に特攻していく映像を真剣な眼差しで見ていました。勇ましい言葉で綴られた文章に込められた彼らの想いを感じとることができたでしょうか?
平和への固い気持ちを胸に、特攻平和会館を後にしました。