令和7年度 中学生合唱祭

10月7日、京都最大級のコンサートホールであり、クラシック音楽の殿堂として名高い京都コンサートホールで中学生合唱祭を開催しました。今年度も各学年・各クラスが練習の成果を余すところなく発揮することで、素晴らしい合唱祭となりました。

開演に先立ち西村文宏中学校長が開会のあいさつを行い、その中でホールを埋めた聴衆にこんなメッセージを送りました。「合唱は歌う者と聴く者、みんなで協働して成り立つもの」、そして「合唱は声の曼荼羅である」。このメッセージを胸に、舞台の生徒も客席の生徒も一体となって大舞台に臨みました。

2年生

今年度もトップバッターは2年生。みんな合唱祭を一度経験しているせいか、各クラスとも万雷の拍手の中、落ち着いた様子で檜舞台に上がります。指揮者の合図で足をサッと開き、腕を後ろに組むポーズも自然です。そしていざ合唱が始まると、変声期を終えた生徒もいるせいか低音域に厚みがあり、ハーモニーの安定感も増しているように思えます。もちろん高音の伸びも心地よく、特にアカペラ部分でそんな印象が際立ちました。望郷の念、大切な人への愛、青春の痛みなどなど、歌詞のテーマは違ってもみんなバラード系の楽曲を余韻を残すように歌いあげました。また、今年度の2年生は1曲もカブりなし。つまり全クラスが異なる楽曲を選んでいて、そんなところからも合唱祭にかける強い意気込みが感じられました。

  • 6組 『ふるさと』
  • 2組 『足跡』
  • 1組 『COSMOS』
  • 3組 『心の瞳』
  • 4組 『変わらないもの』
  • 5組 『Chessboard』
  • 7組 『大切なもの』
  • 金賞:3組 銀賞:4組 銅賞:1組

1年生

洛南に入って初めての合唱祭に挑んだ1年生。ホールを埋めた千人近い「観客」を前にみんな大丈夫かな、と少し心配でしたが、それは杞憂に終わりました。合唱隊はもとより、指揮者も伴奏者も堂々と練習の成果を披露。ハーモニーはもちろん、男声と女声のかけあい、そしてアカペラなど至るところに聞きどころがありました。楽曲は合唱曲を中心に選ばれ、友人を懐かしむ気持ち、新しい仲間とともに歩き出す喜び、自分を支えてくれている人への感謝、平和への願い、未来への希望など、歌にこめられた想いがホールに響きわたるたびに心が洗われるようでした。中には行間を読まなければならないような歌詞の楽曲もありましたが、その歌声からは、行間に託されたメッセージを一生懸命に理解しようと頑張っている、そんな姿勢が感じられました。

  • 6組 『夏の日の贈り物』
  • 4組 『カイト』
  • 2組 『Forever』
  • 5組 『あなたに会えて・・・』
  • 7組 『マイバラード』
  • 3組 『HEIWAの鐘』
  • 1組 『時の旅人』
  • 金賞:3組 銀賞:2組 銅賞:7組

3年生

中学3年間の集大成として京都コンサートホールの舞台に立った3年生。きっと、各クラスが想いを一つにして練習に励んできたのでしょう。ハーモニーの厚みはもちろん、緩急や抑揚のつけ方などもさすが3年生という感じです。また、指揮者は細やかな手さばきや全身のダイナミックな動きを使い分けてタクトを振り、ピアノ演奏もキビキビとして聞き応えも見応えも十分です。みんな多感な時期だからでしょうか。多くのクラスが思春期の心の琴線に触れるような歌詞のJ-POPを選曲し、等身大の気持ちを一つひとつ乗せたコーラスは感動的でした。最後に3年生全員がステージとその後ろのポディウム席に整列し、全体合唱を披露。総勢288名が奏でるハーモニーは圧巻のひと言で、歌い終えたあと、賞賛の拍手がしばらく鳴りやむことはありませんでした。

  • 1組 『Chessboard』
  • 2組 『プレゼント』
  • 6組 『君の隣にいたいから』
  • 3組 『虹』
  • 5組 『僕らはいきものだから』
  • 7組 『YELL』
  • 4組 『YELL』
  • 全員合唱 『手紙〜拝啓 十五の君へ〜』
  • 金賞:4組 銀賞:3組 銅賞:5組

全学年・全クラス中、最も優れた伴奏に授けられる最優秀伴奏賞は、3年3組の伴奏者に与えられました。
最優秀伴奏賞:3年3組『虹』

去年よりレベルアップした合唱祭

今年度も合唱祭の開催に多くの方のお力添えをいただきました。裏方に徹してスムーズな運営に努めてくれた高校吹奏楽部諸君、ありがとう。そして京都コンサートホールとその関係者の皆さんと、審査を担当してくださった伊東恵司先生(詩人、作詞家、合唱指揮者)、山原さくら先生(声楽家)、加藤雅子先生(ピアニスト、前本校音楽科講師)のお三方に、心よりお礼申しあげます。また、当日は平日にもかかわらずたくさんの保護者の方にご来場いただきました。ありがとうございました。

昨年度に続き審査をご担当いただいた伊東恵司先生は、講評の中で「全体的に去年よりレベルアップしている」とうれしいひと言をくださいました。また、合唱には「一人ではできない」、「言葉と向き合う」という二つの特徴があり、この二つの意味を考える機会を人に与える合唱は、人生に好影響をもたらすというお話はとても興味深いものでした。講評の最後に、日本語の言葉は語頭にアクセントを持つものが多く、そのアクセントに気を遣い、さらに語尾や助詞をコンパクトに発音すれば、歌にこめられた想いがより伝わるようになるというアドバイスをいただきました。このアドバイスが来年度の中学生合唱祭にどう生かされるか、こうご期待です。