洛南高校サッカー大会2025 

クラスの結束を高める恒例のスポーツイベント

 11月25日(火)と26日(水)の2日間、向島グラウンドにおいて、毎年恒例のスポーツ大会「洛南高校サッカー大会2025」が開催されました。

小雨にも肌寒い天候にも負けない、
迫力あるプレイ、熱気に満ちた声援 —— 2年生の部

 初日は2年生が対象で、午前の部において3、4、5、7、9組の試合が、午後の部において1、2、6、8組の試合が、それぞれ行われました。

 天気予報どおり、前日までの、小春日和で歩いていると少し汗ばむくらいの陽気とは打って変わって、朝から小雨が降りしきる肌寒い一日となりましたが、午前9時近くなると、三々五々、賑やかに談笑しながら集まってくる生徒たちの姿が見られ始めました。3人で連れ立って歩いていた女子生徒は、「体育祭や、スポーツイベントが開催されるのが、ここ向島グラウンドなので、楽しい思い出がいっぱい。ここに来るというだけで、テンションが上がります」と元気な笑顔で話してくれました。

 試合方法は例年通り、男子2ブロック、女子2ブロックのリーグ戦方式で、各ブロックにおいて、クラス対抗で優勝および準優勝が表彰されます。男子は「試合時間10分、8人制」のサッカーで、各クラスからA・B・Cの3チームを選出。女子は「前半4分・休憩2分・後半4分」の時間配分で、5人1チームのフットサルに挑みます。男子3チームと女子1チームを合算したクラス別の総得失点で、順位を競います。

 午前9時20分、午前の部に参加する5クラスが、大会本部テント前に集合。全体の流れやルール、注意事項などの説明を受け開会式を終えると、女子はCコートへ移動、男子は本部テント前のAコートとBコートで、それぞれ試合が開始されました。

 終始小雨が降るなかでの試合でしたが、前日までの好天のおかげか、コート内に水たまりができるなど、グラウンド状態がゲームに影響を及ぼすこともなく、生徒たちは生き生きとした表情でボールを追いかけていました。特に男子サッカーはスピード感があり、ロングパスやロングシュートといったダイナミックなプレイが飛び出すたびに、応援するクラスメートの声援も熱気を帯びていきます。

 一方、女子のフットサルの試合は、慎重なドリブルや丁寧なパスで展開されていきますが、ゴール前の攻防になると緊迫感が張り詰め、両チームからの甲高い声援が響き渡っていました。

 午後の部は、12時20分からの開会式を経て、12時40分に競技開始。午前の部と同様、小雨がぱらつくなか、真剣な表情でボールを追い続ける選手たちと、傘をさしながら大声で声援を送るクラスメートで、向島グラウンドは活気に満ちていました。応援に熱が入りすぎて、決められた応援ラインを超えてコートに近づいてしまう生徒もあり、「応援する生徒たちは、応援ラインを守るように」と、本部テントから注意放送が流れる場面も見られました。声を枯らして声援を送る生徒の一人に、大会への思いを尋ねてみると、「この2~3週間、体育の授業はサッカーでしたが、それだけでは足りないと思い、自分たちで段取りして公園などで練習を重ねました。週に2~3日くらいは集まっていました」と話してくれて、この強い一体感の理由が納得できるような気がしました。

 本部テントのなかから全試合を見守っていた吉田先生に、2年生の部について総括を尋ねると、がむしゃらにボールを追いかけるばかりではなく、コート全体にバランスよく選手が配置され、戦術をもったパス回しができている点を指摘、「大会2年目だけあって、昨年よりも動きが良くなっている」とコメントされました。

25日の試合結果

午前の部
優勝  2年9組
準優勝 2年4組

午後の部
優勝  2年8組
準優勝 2年1組


グラウンド全体に一体感をもたらす
エキサイティングなPK戦で締め括り —— 1年生の部

 2日目は1年生が対象で、2年生同様、午前の部は3、4、5、7、9組の試合で9時20分の開会式、午後の部は1、2、6、8組の試合で12時20分の開会式でそれぞれスタートしました。予報では降水確率が高く、雨が心配されましたが、蓋を開けてみると午後に一時、小雨がパラついたものの、それ以外は雨に降られることもなく、昨日の肌寒さも緩みました。

 試合方法は、試合時間だけが2年生とは異なっていて、男子サッカーが15分、女子フットサルが前半5分・休憩2分・後半5分となります。開会式を終えると、試合に臨むチームのメンバーチェックが行われた後、チームごとに準備体操。試合前と試合後には、双方のチームともコート中央に集まり挨拶を交わす。開会式で受けた説明どおり、3つのコート、それぞれで段取りよく進行していきます。

 サッカー大会は、生徒会とサッカー部が主体となった準備・運営体制の下で進められます。クラスごとのブロック分けや、メンバー表を盛り込んだパンフレットの作成、当日の得点集計、賞状の準備など、大会の運営は主に生徒会役員が担当。一方、試合前のコート整備や当日の審判、得点係などはサッカー部員が行います。大会当日は、生徒会は大会本部テントの真ん中で進行状況を見守りつつ大会全体の運営に気を配り、サッカー部員は審判を務めながらスムーズな試合進行を図るなど、それぞれの役割をこなし、大会運営が円滑に進むよう協力し合います。

 試合運びは、心なしか2年生より勢いがあるように感じられ、身体を動かすこと、それ自体を楽しむかのようにコート内を所狭しとばかりに走り回り、文字通り、真剣にボールを追い続ける姿が印象的でした。応援ライン沿いに居並ぶチームメイトからは「行けー!」「守れー!」「戻れー!」といった声援が飛び交うなか、審判のホイッスルが鋭く鳴り響き、ファウルの宣告。一瞬の静寂の後、再び大きな歓声が沸き起こり、選手たちはその声援を力に変えてボールを追い続けます。

 ときには、味方のゴール前の攻防で一瞬の隙を突いてボールを奪うや、電光石火の速さで相手ゴールに迫り、キーパーの守備をかいくぐって得点、両チームから「おおー!」と感嘆の声が漏れた。と思いきや、本部テントから「今のはオフサイドです」とクールなアナウンス。漏れ聞こえる落胆の声と、それをかき消すかのような爆笑の声に包まれるなど、向島グラウンドは終始、明るく快活な雰囲気に満ちていました。

 この日のフィナーレには、劇的なクライマックスが待ち受けていました。午後の部では女子フットサルの試合数のほうが多く、13時30分過ぎに男子サッカーの全試合が終了した後も、熱戦が繰り広げられていました。クラスの順位は、男子3チームと女子1チームを合算したクラス別の総得失点で競われることもあり、試合が展開されているCコートに男子生徒も駆けつけ、仕切り用に巡らされた防球フェンス周辺は、午後の部に参加した生徒全員が鈴なり状態。ひとしきり大きな声援と注目のなか、最終試合が終わると、その結果が即座に本部テントに伝えられます。そして、注目の集計結果が発表される閉会式へと進みましたが、果たして、その結果は……。第4位は総得失点「−4」の2組、第3位は総得失点「−2」の6組、そして優勝と準優勝は総得失点「+3」の1組と8組が同率順位。「優勝決定のため、両クラスから選出されたサッカー部以外の3人によるPK戦に入る」と告げられると、グラウンドは一際大きな歓声と拍手に包まれました。続いて、「3選手で決定しなかった場合に備えて4番目、5番目の選手を決めておくよう」アナウンスされます。

 断続的などよめきとざわめき、「がんばれー」「ファイトー!」と大きな叫び声が飛び交うなか、先攻の8組、後攻の1組、両チーム1人目のキックはいずれも成功。緊迫した状況が続きます。8組2人目のキックも成功し、1組2人目のキッカーがペナルティスポットに立ちゴールを見据えると、「これで2対1。これを外せば、8組の優勝となります」とのアナウンス。声援やどよめきは一層高まり、祈るような視線が集まるなか、主審の笛が高らかに鳴り響きます。そして、キッカーが放ったボールがゴールキーパーの好セーブに阻まれると、割れんばかりの大声援が、失意のキッカーと歓喜のGKを包み込み、8組の優勝が決定。通常のゲームとは違った、ハラハラドキドキ、グラウンド全体が見守るなかでのPK戦は、ある種の一体感を演出し、すがすがしい大会の締め括りとなりました。

26日の試合結果

午前の部
優勝  1年9組
準優勝 1年5組

午後の部
優勝  1年8組
準優勝 1年1組